利島村について

利島は、東京から約140㎞南に位置する、人口わずか300人、周囲8㎞の海に囲まれた小さな島。まるでピラミッドのようにきれいな三角形をしたそ の島には、“神様がいる”“徳川のお宝が眠っている”“魔物が住んでいる”など、古くから様々な言い伝えや伝説が語り継がれています。
利島は海底噴火を繰り返し、やがて盛り上がった地底が陸上に飛び出し、今の形になったといわれています。自然の事象が育んだ三角形の山の頂には、 引っかかるような形で霧雲が留まることがあります。その光景はなんとも神秘的で、まるで本当に神様が降臨しているかのようにも見えます。
やがて人々が移り住み、彼らはこの地に椿の木を植えました。はるか250年の昔、江戸時代に生きた先人たちは、年貢として椿油を納めていたといいま す。古く昔から島の人々は椿を自らの手で育て、管理し、その実から油を絞って生活の肥やしとしてきました。何年も何年も絶えることなく繰り返されたその作 業は、島全体へ広がり、やがて島の大きな産業として人々の生活を支えるようになって行くのです。
現在、利島の面積のほぼすべてが椿畑。夏には、青々とツヤのある椿の葉が太陽に反射し、島全体がキラキラと緑色に輝きます。冬になると真っ赤な椿の 花が咲き乱れ、まるで島がお化粧をしたように朱色に色づきます。自然が生んだこの神秘の景色は、語らずとも見るものを圧倒します。